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2013年4月3日水曜日

六本木三丁目・麻布台

2日目も雨が降るかどうかという重たい天気ですが、歩かないよりマシだろうということで、六本木一丁目駅へとやってきました。

まずは再開発が進む六本木3丁目2のあたりを散策。IBM本社・ハローワーク・ヴィラフォンテーヌ・空港施設ビルなどがあったところです。再開発はもっと広域に及びますが、今取り壊しているのは上記のビルのあたりです。


再開発地の真ん中を貫く街路はそのまま通行できます。なんとも空が広いですね。左で壊しかけているのがハローワークのビルでしょうか。日曜日なので工事は行われていません。静かです。


ホテルのあったところの煉瓦の壁はまだ残されていました。この穴は何かを通したのでしょうか。


南側の階段は仮設のものになっています。骨組みがユニーク。



その階段を振り返ると、先に取り壊した部分が一望できます。正式には「六本木三丁目東地区第一種市街地再開発事業」という呼称で、住友不動産が中心となり建設しているそうです。六本木一丁目駅はとても地味な存在ですが、この開発でも商業棟は駅と反対側の六本木通り沿いにできるようです。



再開発地西側の丹波谷坂です。まっすぐで、坂上からの風景もなかなか良い坂です。地図では普通の街路に見えますが、かなり急です。徒歩の抜け道としては楽ではないですね。設置されている案内柱によれば、坂上に岡部丹波守の屋敷があったことからそう呼ばれたとのことです。



途中にある石積み擁壁はなかなか複雑でした。斜面側が大谷石というのはよくありますが、道路側もコンクリートで埋めたりといろいろと変更があった痕跡が伺えました。それなりに古いものなのでしょう。



丹波谷の谷頭からロアビルのほうへ登っていく道は、このような細い坂になっています。丹波坂の道は元々はこちら(南)へは抜けられなかったようで、あとから設置されたものなのでしょう。



「昼間は通りぬけできます」という私道の階段通路。この先に出られる道が家1軒挟んですぐ北にあるのですが、わざわざ開放しているのは珍しいですね。先に見えるのが不動坂です。



丹波谷坂の南に平行する不動坂を登って振り返ってみたところです。坂の途中に五大山不動院があります。右側があの有名・・・でないほうの六本木ヒルズです(笑)。



先ほどの狭い坂の横、窪地には墓地があります(特定のお寺のものではないようです)。雑居ビルに囲まれた独特の風景で、私は好きです。墓地もまた小さなビルのようでもあります。むしろお墓のほうが生き生きして見える気もします。



六本木3丁目から麻布台1丁目へ向かいました。左が都心環状線・飯倉入口、こちらの一般道は行合坂です。真ん中の谷は我善坊谷という通称で、落合坂という道が通っています。曲がってすぐのところに横川省三記念公園(普通の児童公園です)がありますが、港区サイトによればこれも高速道路工事で移転したあとのものだそうです。



我善坊谷をゆったり下る落合坂の道は、周囲の傾斜のためかあまり交差点がなく、左右に行き止まりの私道がいくつも伸びています。このあたりは純然たる住宅地です。



このような雰囲気のある横道が並んでいます。



なかなか壮大な擁壁です。確かにこのきつい段差ではそうそう登っていく道は作れないですね。


さらに東に進んでいくと、次第に街の生気が感じられなくなってきます。取り壊されこそしていないものの、空き家が増えてきます。


実は我善坊谷の東側は再開発のためかなりの割合で空き家になっていて、閉鎖された細い道もあります。管理者は森ビルのようですが、開発に着手するでもなく何年もこのままで、まさに「ゴーストタウン」という言葉が浮かんでしまいます。



ここは八幡神社(西久保八幡・飯倉八幡)の北参道に通じる道です。奥の階段が参道で、通りぬけできます。



閉鎖された道は落ち葉で埋まっています。



傘の下は猫のたまり場のようです。発泡スチロール箱が妙に削れているのは、猫たちが爪を研いでいるから。



北参道はほとんど誰も通りません。通るとしたら、カメラを持った人、まち歩き好きな人、そんなところです。



八幡神社境内ではお花見もOKで、「火の使用には十分注意ください」との注意書きからすると火気厳禁ではないようです。珍しいですが私有地ならではですね。都心のこぢんまりとした神社で、外国人の見物人もちらほらと見受けられました。



こちらは我善坊谷から北へ登る稲荷坂(我善坊谷坂)です。数年前までは良い石積みのある風情のある坂だったと記憶していますが、今はなんだか白っぽく整備されています。それでも古い木造家屋は健在です。



稲荷坂を登って東側が、仙石山と呼ばれる住宅地です。奥のビル(アークヒルズ仙石山 森タワー)のほうが再開発されて、道のかたちがだいぶ変わってしまいました。



八幡神社の南にあるこの階段坂は雁木坂と呼ばれています。桜の木とのマッチングが非常に良いですね。右の看板が景観から浮いているのが残念です。



雁木坂の横から伸びる小径もなかなかの味わいです。外苑東通へと抜けます。



雁木坂の北で我善坊谷へと降りて行くのが三年坂。眼前にビルがないため、このあたりにしては見晴らしの良い坂のひとつです。



こちらは外苑東通りから南へ入る坂のひとつで、表記は見当たりませんが鼬(いたち)坂というそうです。



そこから分岐する、ちょっと古そうなコンクリートの階段坂。残念ながら工事用の壁に囲まれています。



その名の通りの、小狭い鼠坂を下って狸穴公園を目指します。



坂の横の石積みは、なんだか野性味があるものでした。



狸穴公園の片隅には狸穴稲荷大明神があります。それにしても、鼬・鼠・狸と、動物の名前がたくさん登場する地域ですね。



最後は環三通りの日進ワールドデリカテッセンで買い物。外国人向けの、東京らしいスーパーのひとつです。私はこのあたりを通りかかる時はだいたいここで何か見て行きます。


今回は到着時間が遅くなったこともあり、回りたいところをすべて歩けたわけではないのですが、多くの坂道と窪地を再確認できたのは収穫でした。桜と組み合わせた風景が楽しめたのも良かったですね。

地形の難しい話はあまり気にせずとも、ビルとその他のものとのコントラストが面白いので、いつでもふらりと散策して充分楽しめる地域ではないでしょうか。変わっていく町並みを、私も定期的に観察したいと思います。



2013年4月2日火曜日

原宿・表参道・南青山・西麻布

3月30日(土)。散策記事1回目にして、いきなりですが、原宿に行きました。天気は曇りでちょっと寒いですね。

原宿のあたりはかなり起伏があり、それゆえ坂や川跡なども豊富でまち歩きには楽しいところであるはずなのですが、そこにいる人や店の特性から、敬遠してしまう人も多いのではないでしょうか。私は気にせず乗り込みますが(笑)。

私が見る原宿・青山はこんな街、ということを書き表せたらと思います。



まずは、JR原宿駅宮廷ホームの北東にあった、池の跡へ行きました。


<込み入った話>
延命寺の横の道は、池からの水路跡と思われます。この西側にある神宮東池からの谷と思われがちですが、明治初期の地図では神宮側に谷はなく、まっすぐ北の谷頭にある池が水源のように見えます(地図が正しいかまではわかりませんが)。ため池か湧水の池かはよくわかりません。

この池は真ん中に弁財天でもあるかのような島というか出っ張りが描かれています。西側が南豊島御料地となり神宮東池ができたあとも、大正期までは池があったようです(参考:東京市及接続郡部地籍地図. 下卷 千駄ヶ谷町大字千駄ヶ谷字向山・宮下 すでに少し小さくなっていますが)。


このおかしな段差から先が池のあったところです。ここまでは水路跡っぽい窪みが確認できます。しかしこの先、すでに戦前に埋められて宅地化され、池らしい痕跡は見つけられませんでした。あまり話題にならないのも不思議なのですが、池の場所そのものが窪地でないせいでしょうか。



この標識はどこから出てきたのでしょうか・・・

さて、ぼちぼちと竹下方面に進みます。


原宿の外れですが、この通りは雑貨屋さんなどがありちょっと洒落た感じでした。今はまだ風景が寒々していますが、木が茂ると意外と良い雰囲気なのでは。



交差点の桜も綺麗でした。今年は満開になってから寒いせいか、比較的長くいろいろな桜を楽しめている気がします。



これは隠し通路的な抜け道階段ですね。東京の町中には、こうしたサービス的抜け道がけっこうあります。みなさんも探してみてください。



カクカクした道を抜けたここは、かなり洋風な風景を味わえる一角です。ぶなしめじのダンボール以外は。



旧渋谷川、原宿橋跡に出ました。この近くに、細く短い水路跡があります。



ここです。暗渠好きにはそれっぽさプンプンですが、そうでない人が一見しただけではただの狭い通路ですね。元々の家の出入り口がこちらにほとんどないことからすると、変な道だということがわかると思います。



1ブロック進んでみました。この先で川跡は行き止まりになりますが、土地境界としてはもう少し続いていきます。また、台帳図によれば下水管も続いているようです。



ドーンと重たさのある古いビルです。



その裏手には今も低層の日本家屋があります。



ここも抜け道として使われている旧渋谷川裏手の階段です。段差があるということは、かつてはここまでが河川敷だったのでしょうか。煉瓦ブロックが怖い飛び出し方をしています。



階段の下には、裏原宿のさらに裏と言える小径があります。暗渠ではないようです。



さすがに店はありませんが、舗装は新しいものです。



抜けた先のこれも川に下りる階段ですね。私はこういう、ちょっとした階段というのも都市の中で面白い存在だと思っています。



こんな妙なカーブも、川跡なればこそです。昔から農地があったような土地の道と川は、たいてい蛇行を伴います。原宿も、鉄道が開通した当初は長閑な田や林のある田舎だったと言います。



フォンテーヌ通りやブラームスの小径と呼ばれているカラーブロック舗装の道も川跡です。これは神宮の南池からの流れです。たまにこのような護岸っぽい壁が残っています。



フォンテーヌの由来である噴水の広場。竹下通りの人の多さに比べて、かなり静かで落ち着いています。こういう場所はただ猥雑なだけではない、良いスポットだと思います。広場って、もっとあってもいいですよね。特に原宿のように大量の人が押し寄せる街には。



ここは川底感のある段差ですね。川跡はこの先に続いていきます。



このコンクリートは橋跡でしょうか。もっとも右側は道ではありませんが・・・。



これがブラームスの小径のブラームス像です。唐突に現れます。



こちらはフォンテーヌ通りの北に並行する、もう1本の川跡です(最初に紹介した池からの流れ)。少し移るだけで、商売のにおいが忽然と消えますね。



渋谷川からするすると登るこの坂も雰囲気がいいですね。石積みと草むらと桜、風情があります。表通りからは見えませんが、南青山五丁目交差点方面への道です。



何種類もの壁が一堂に会する、すこし不思議な擁壁ですね。いったいどうしたらこうなるのか・・・。何軒かの家を潰して、擁壁だけ残したのかもしれませんね。




公務員宿舎入口の、カーブした石積みです。きれいに曲げて作るのはなかなか難しそうです。このあたりはこうした古い宿舎や公営住宅も点在しています。その足元を支える擁壁も、地味ですがまち観察の良いポイントと言えます。



住宅街の中に現れるIL CENTRO SERENOという斬新な建物。表参道らしいゆったりとした商業施設&マンションです。表から見える雑貨屋さんが良さそうでした。このあたりは住宅街でありながら、様々なお店が点在していておもしろいと思います。



ポルトフィーノ・セントグレース大聖堂の前の桜です。結婚式をやっていたのでおとなしく素通りしました。そういう時は案内や警備の人が増えてちょっと物々しいですからね。



表参道交差点近くの善光寺では、通りから「写真撮りたい!」と入ってきて桜を撮る人もちらほら見かけました。



青山流のお地蔵様の祀り方ですね。このあたりで路傍に地蔵・馬頭観音などがある場所は少ないので、ますます貴重です。



GLASSAREA青山。こうした低層小型モールがあるのも青山地域の特徴かもしれません。空間がしっかり取られているのがいいですね。手前の石は歯のようで私は少し怖いですが・・・(笑)。



西麻布へと進みました。こちらは勢至院入口の井戸。東京には、井戸は意外とありますね。生活の歴史が古いせいでしょうか。私の育った名古屋ではあまり見ませんでした。



しばらく前は未舗装だった道ですが、ブロック舗装に変わっていました。手前には数段の階段があります。



西麻布にはいろいろな坂道がありますが、今回歩いた中で、この階段坂はかなり好きになりました。少しずつ登っていく、長い坂道です。



川跡の道の段差を結ぶ、ちいさな階段です。2本の段差のある道が並行するあたり、菊坂界隈を思い起こさせます。



青山の庚申塔です。地蔵堂や庚申塔などの周辺はよくプランター置き場になりますね。



ハイライトは、すらっとしたこの階段坂。ホテルフロラシオン裏にあります。初めて登りました。左右の宅地を支える大谷石の擁壁も、東京らしいがっしりとしたものでした。このあたりの起伏はかなり複雑で、まだまだ探索のしがいがありそうです。


気になったところをほとんどすべて詰め込んだため写真点数が異様に増えてしまいましたが、今回はこんなところです。本当に、散策家として注目したいところは多いんですよ。とくに原宿は狭い川跡、青山・西麻布は坂がおすすめです。もちろんお店もいろいろありますので、若者の街とかお金持ち向けの街だと思わず、もっと普通に歩いていただきたい地域です。