2013年4月2日火曜日

原宿・表参道・南青山・西麻布

3月30日(土)。散策記事1回目にして、いきなりですが、原宿に行きました。天気は曇りでちょっと寒いですね。

原宿のあたりはかなり起伏があり、それゆえ坂や川跡なども豊富でまち歩きには楽しいところであるはずなのですが、そこにいる人や店の特性から、敬遠してしまう人も多いのではないでしょうか。私は気にせず乗り込みますが(笑)。

私が見る原宿・青山はこんな街、ということを書き表せたらと思います。



まずは、JR原宿駅宮廷ホームの北東にあった、池の跡へ行きました。


<込み入った話>
延命寺の横の道は、池からの水路跡と思われます。この西側にある神宮東池からの谷と思われがちですが、明治初期の地図では神宮側に谷はなく、まっすぐ北の谷頭にある池が水源のように見えます(地図が正しいかまではわかりませんが)。ため池か湧水の池かはよくわかりません。

この池は真ん中に弁財天でもあるかのような島というか出っ張りが描かれています。西側が南豊島御料地となり神宮東池ができたあとも、大正期までは池があったようです(参考:東京市及接続郡部地籍地図. 下卷 千駄ヶ谷町大字千駄ヶ谷字向山・宮下 すでに少し小さくなっていますが)。


このおかしな段差から先が池のあったところです。ここまでは水路跡っぽい窪みが確認できます。しかしこの先、すでに戦前に埋められて宅地化され、池らしい痕跡は見つけられませんでした。あまり話題にならないのも不思議なのですが、池の場所そのものが窪地でないせいでしょうか。



この標識はどこから出てきたのでしょうか・・・

さて、ぼちぼちと竹下方面に進みます。


原宿の外れですが、この通りは雑貨屋さんなどがありちょっと洒落た感じでした。今はまだ風景が寒々していますが、木が茂ると意外と良い雰囲気なのでは。



交差点の桜も綺麗でした。今年は満開になってから寒いせいか、比較的長くいろいろな桜を楽しめている気がします。



これは隠し通路的な抜け道階段ですね。東京の町中には、こうしたサービス的抜け道がけっこうあります。みなさんも探してみてください。



カクカクした道を抜けたここは、かなり洋風な風景を味わえる一角です。ぶなしめじのダンボール以外は。



旧渋谷川、原宿橋跡に出ました。この近くに、細く短い水路跡があります。



ここです。暗渠好きにはそれっぽさプンプンですが、そうでない人が一見しただけではただの狭い通路ですね。元々の家の出入り口がこちらにほとんどないことからすると、変な道だということがわかると思います。



1ブロック進んでみました。この先で川跡は行き止まりになりますが、土地境界としてはもう少し続いていきます。また、台帳図によれば下水管も続いているようです。



ドーンと重たさのある古いビルです。



その裏手には今も低層の日本家屋があります。



ここも抜け道として使われている旧渋谷川裏手の階段です。段差があるということは、かつてはここまでが河川敷だったのでしょうか。煉瓦ブロックが怖い飛び出し方をしています。



階段の下には、裏原宿のさらに裏と言える小径があります。暗渠ではないようです。



さすがに店はありませんが、舗装は新しいものです。



抜けた先のこれも川に下りる階段ですね。私はこういう、ちょっとした階段というのも都市の中で面白い存在だと思っています。



こんな妙なカーブも、川跡なればこそです。昔から農地があったような土地の道と川は、たいてい蛇行を伴います。原宿も、鉄道が開通した当初は長閑な田や林のある田舎だったと言います。



フォンテーヌ通りやブラームスの小径と呼ばれているカラーブロック舗装の道も川跡です。これは神宮の南池からの流れです。たまにこのような護岸っぽい壁が残っています。



フォンテーヌの由来である噴水の広場。竹下通りの人の多さに比べて、かなり静かで落ち着いています。こういう場所はただ猥雑なだけではない、良いスポットだと思います。広場って、もっとあってもいいですよね。特に原宿のように大量の人が押し寄せる街には。



ここは川底感のある段差ですね。川跡はこの先に続いていきます。



このコンクリートは橋跡でしょうか。もっとも右側は道ではありませんが・・・。



これがブラームスの小径のブラームス像です。唐突に現れます。



こちらはフォンテーヌ通りの北に並行する、もう1本の川跡です(最初に紹介した池からの流れ)。少し移るだけで、商売のにおいが忽然と消えますね。



渋谷川からするすると登るこの坂も雰囲気がいいですね。石積みと草むらと桜、風情があります。表通りからは見えませんが、南青山五丁目交差点方面への道です。



何種類もの壁が一堂に会する、すこし不思議な擁壁ですね。いったいどうしたらこうなるのか・・・。何軒かの家を潰して、擁壁だけ残したのかもしれませんね。




公務員宿舎入口の、カーブした石積みです。きれいに曲げて作るのはなかなか難しそうです。このあたりはこうした古い宿舎や公営住宅も点在しています。その足元を支える擁壁も、地味ですがまち観察の良いポイントと言えます。



住宅街の中に現れるIL CENTRO SERENOという斬新な建物。表参道らしいゆったりとした商業施設&マンションです。表から見える雑貨屋さんが良さそうでした。このあたりは住宅街でありながら、様々なお店が点在していておもしろいと思います。



ポルトフィーノ・セントグレース大聖堂の前の桜です。結婚式をやっていたのでおとなしく素通りしました。そういう時は案内や警備の人が増えてちょっと物々しいですからね。



表参道交差点近くの善光寺では、通りから「写真撮りたい!」と入ってきて桜を撮る人もちらほら見かけました。



青山流のお地蔵様の祀り方ですね。このあたりで路傍に地蔵・馬頭観音などがある場所は少ないので、ますます貴重です。



GLASSAREA青山。こうした低層小型モールがあるのも青山地域の特徴かもしれません。空間がしっかり取られているのがいいですね。手前の石は歯のようで私は少し怖いですが・・・(笑)。



西麻布へと進みました。こちらは勢至院入口の井戸。東京には、井戸は意外とありますね。生活の歴史が古いせいでしょうか。私の育った名古屋ではあまり見ませんでした。



しばらく前は未舗装だった道ですが、ブロック舗装に変わっていました。手前には数段の階段があります。



西麻布にはいろいろな坂道がありますが、今回歩いた中で、この階段坂はかなり好きになりました。少しずつ登っていく、長い坂道です。



川跡の道の段差を結ぶ、ちいさな階段です。2本の段差のある道が並行するあたり、菊坂界隈を思い起こさせます。



青山の庚申塔です。地蔵堂や庚申塔などの周辺はよくプランター置き場になりますね。



ハイライトは、すらっとしたこの階段坂。ホテルフロラシオン裏にあります。初めて登りました。左右の宅地を支える大谷石の擁壁も、東京らしいがっしりとしたものでした。このあたりの起伏はかなり複雑で、まだまだ探索のしがいがありそうです。


気になったところをほとんどすべて詰め込んだため写真点数が異様に増えてしまいましたが、今回はこんなところです。本当に、散策家として注目したいところは多いんですよ。とくに原宿は狭い川跡、青山・西麻布は坂がおすすめです。もちろんお店もいろいろありますので、若者の街とかお金持ち向けの街だと思わず、もっと普通に歩いていただきたい地域です。



2 件のコメント:

  1. のうさぎ星人マリオ2013年4月6日 21:59

    この目線、何かに似ているような…。そうだ!猫の目線だ(って、前世は猫かよ)!
    なんか、猫になって裏原宿をとことことお散歩した気分に浸れました。
    メルスィ~!

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    1. ありがとうございます。猫のように暮らしたいものです・・・!

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